第6回 健やかな睡眠のための12の指針

 紹介した「12の指針」は一般論なわけだが、1歩踏み込んで考えると、個々人の睡眠対策は多様である。

 たとえば、ぼく自身で言えば、アルコールに弱いらしく、ほかの人よりも飲酒には気をつけないと翌日への影響が大きい、など。その上で、個々人の体内時計の周期や、必要な睡眠時間、つまり睡眠の2大要素を把握しておければ、いろいろな対策が立てやすいのではないだろうか。

「その通りです」と三島さん。「例えば視力を眼鏡で矯正するように、本当は自分の体内時計の特徴を知って、生活のリズムをきちんとリセットしていければいい。でも、みんな何か社会的なスケジュールを優先して、それに合わせられるもんだと思ってるんですね。だけど、やっぱりその人なりの特性というのがあるので、それを知らないでいると、理由がわからないまま非常にパフォーマンス悪くなることがありますから」

 これについては、三島さんたちが、自分の特性を知るための質問リストを作ってウェブで公開している。自分がどの程度夜型に傾き易かったり、その逆だったり、ということが分かるそうだ。ぜひ試してみてほしい。

あなたの朝型夜型傾向と、睡眠に問題がないかが判別できる国立精神・神経医療研究センター「睡眠に関するセルフチェック」

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つづく

『朝型勤務がダメな理由』
三島和夫著

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三島和夫(みしま かずお)

1963年、秋田県生まれ。医学博士。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神生理研究部部長。脳病態統合イメージングセンター部長。1987年、秋田大学医学部医学科卒業。秋田大学医学部精神科学講座助手、同講師、同助教授を経て、2002年米国バージニア大学時間生物学研究センター、米国スタンフォード大学医学部睡眠研究センター客員助教授。2006年6月より現職。2010年4月より日本睡眠学会理事、日本時間生物学会理事、日本生物学的精神医学会評議員を務める。

川端裕人(かわばた ひろと)

1964年、兵庫県明石市生まれ。千葉県千葉市育ち。文筆家。小説作品に、少年たちの川をめぐる物語『川の名前』(ハヤカワ文庫JA)、感染症制圧の10日間を描いた小説『エピデミック』(角川文庫)、数学史上最大の難問に挑む少年少女を描いたファンタジー『算数宇宙の冒険・アリスメトリック!』(実業之日本社文庫)など。ノンフィクションに、自身の体験を元にした『PTA再活用論 ──悩ましき現実を超えて』(中公新書クラレ)、アメリカの動物園をめぐる『動物園にできること』(文春文庫)などがある。サッカー小説『銀河のワールドカップ』風のダンデライオン 銀河のワールドカップ ガールズ』(ともに集英社文庫)はNHKでアニメ化され、「銀河へキックオフ」として放送された。近著は、独特の生態系をもつニュージーランドを舞台に写真家のパパを追う旅に出る兄妹の冒険物語『12月の夏休み』(偕成社)、天気を「よむ」不思議な能力をもつ一族をめぐる、壮大な“気象科学エンタメ”小説『雲の王』(集英社)(『雲の王』特設サイトはこちら)。
ブログ「リヴァイアさん、日々のわざ」。ツイッターアカウント@Rsider