第5回 世界初!睡眠・覚醒リズム障害の原因を解明

 今年(2012年)7月に科学雑誌のオンライン速報版に掲載された三島さんたちの研究は、「睡眠リズム異常」の原因を解明したとの触れ込みである。興味深いので簡単に紹介しておく。

【国立精神・神経医療研究センタープレスリリース】精神生理研究部の三島和夫部長、北村真吾研究員らのグループが、睡眠・覚醒リズム障害の病態生理を解明

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 まず、これまでに、夜型と朝型(標準型生活者)が、かなりはっきり遺伝子によって影響を受けていることを教えてもらった。しかし、現実はさらに複雑で、単に夜型とも言えない、「非同調型」と呼ばれるタイプが存在するのだという。単純に言ってしまえば、24時間のリズムに同調できない人たちで、概日リズム睡眠障害(睡眠・覚醒リズム障害と呼ぶことも)という名の病気を持った人として扱われる。なにしろ「月の半分以上は日中に起きていられず、時差ぼけ症状に苦しみ、社会生活に大きな支障が生じる」というのだから。

 三島さんたちが発見したのは、この非同調型の「概日リズム睡眠障害」に悩む人たちは、体内時計の周期が異常に長くなっているということだ。非同調型6名、夜型8名、標準型9名を被験者にして、「箱」の隔離実験室で2週間生活してもらい測定したところ、標準型では体内時計の周期が平均24時間7分だったのに対し、非同調型では24時間29分だったという。