第4回 目からウロコの不眠症治療法

「10分たっても眠れなかったら、ベッドから出るだけではなくて、寝室から必ず出るようにしてもらいます。というのは、不眠症の人って簡単な問題にはまっていて、ベッドに入って眠れないままにずっと我慢してるとか、音楽を流してリラックスしようとしたりとか、眠くなるまで本読んだりとか、テレビをつけてぼんやり見て、自然に眠りに落ちるのを待つとかしますよね。これ、本読むのも、音楽聞くのも、テレビを見るのも、人間にとっては脳波の上では覚醒する作業なんですよ。だけど勘違いしてて、例えばつまらない本を読んでれいば眠くなるとか思っているんですね。でも、不眠症の人は活字が目に入ってくるだけで覚醒するし、読んでいても眠気が来ないと認識しただけでもっと覚醒してしまうんです」

 この手の不眠症というのは、自らを誤った観念にはめ込むことでどんどん悪化するようだ。不眠の原因は他にもありうるから、必ずこれという訳ではないのだが、自分で自分を追い込んでしまったがゆえの不眠というのは切ない。これまでの疫学調査の結果では、不眠症の診断を受けている人の約2割が原発性で、別の約2割がうつ病によるものだそうだ(さらに残りが、疼痛や痒み、頻尿などの疾患、薬剤が原因のもの、など)。不眠はうつへの1つの入り口であり、うつで不眠にもなることを考えると、主に不眠を訴えて通院する人は、最初の時点では、単に「誤った観念」にはまってしまったパターンの人が多いかもしれないと想像する。

 では、10分たっても眠れなかったら、寝室から出るように、という真意はどこにあるのだろう。