第2回 体内時計25時間はウソだった!

「光で体内時計を調節するときに、朝は太陽の光がガーンとくるので、少し反応が鈍くできてるんですね。ところが夜の光っていうのは、ほとんど自然界ではあり得ないから、ものすごく効果が強いんですよ」

 三島さんは、ぼくたちが話をしていた部屋の天井を指さした。

「この部屋だと今、照明のある天井のほうを見ると網膜に入ってくる光が800ルクスくらい。でも私のほうを真っ直ぐ見ていただくと、300から400ルクスくらいなんですね。もっとも、今(晴天時)外に出ると10数万ルクスです。窓際に立って外を見ただけでも8000ルクスぐらい。それだけ差があるので日中の光は圧倒的なんですが、夜でいいますと体内時計に強く働きかけてくるのは1000ルクス以上だと言われます。例えばコンビニの中はそれぐらいあります。特に明るいコンビニチェーンは1300ルクスもあって……」

 ルクスというのは、明るさの単位だ。光源の明るさではなくて、観察者が受け取る明るさ。蛍光灯で照らされた一般オフィスと同じくらいの部屋で話を伺っていたので、これを読んでいる方々の生活環境とは大きく変わらないだろう。光源のある天井を直接見ない限り300~400ルクスということなら、体内時計に影響がないということになりそうだが……。

「一般的には300~400ルクスくらいではそんなに強い効果はないんですが、長時間ですとやはり影響が出てきます。あと、最近大きな液晶画面ができたり、光源を直接見ることが増えてますね。さらに、夜中のバイト先で強い光を浴びて……などいろいろなパターンで、体内時計が夜型になってしまって、寝つきが悪くなって、今度は朝起きが悪くなって、朝は学校や仕事に行かなきゃいけないから、無理に起きて、みんな睡眠不足になって、日中の眠気がとれなくて……」

 と悪循環に陥る、という仕組み。