第2回 体内時計25時間はウソだった!

 ここで非常に素朴な疑問を抱く。

 体内時計というのがあるなら、なぜきちんと24時間にしておいてくれなかったのか。これがしっかりしていれば悩みも少なかっただろうに。ぼくは文筆業で自宅で仕事をしており、おそらく体内時計の周期が長い方だと思われる。気を抜くとどんどん宵っ張りどころか、朝っ張りになって困るので、なおさらそう思う。

 しかし、進化の歴史の中で、24時間ぴったりではない様々な周期の体内時計を持った人たちがいることは、それなりに意味があったようだ。例えば、周期の長い人は、夜勤や睡眠不足に強かったり、周期の短い人は朝からバリバリ能力を発揮することができる、といったふうに。とするなら、周期の違いは社会に必要な「個性」だ。

 いずれにしても、ほとんどの人が体内時計の周期が多かれ少なかれずれているのだから、それを24時間のリズムにシンクロさせる必要がある。

 鍵となるのは、「光」だ。

「今のように人工照明で夜も明るい世界になる前は、みんな早く寝て、早朝5時、6時くらいに陽が出ると起きていたわけです。それから光を浴びることで午前中に思いっきり体内時計を巻き戻して朝方にして、それが行き過ぎなら夕方になって暗くなってきた時に体内時計を少し遅めにしてやって、足し引きでうまく調節できていたんです」

 24時間ぴったりではないことが多い体内時計の周期は、朝昼晩の明暗の違いに反応して1日の周期にシンクロするようになるのだという。

睡眠中の状態を調べる測定機器がずらりと並んでいた。(写真クリックで拡大)