第2回 体内時計25時間はウソだった!

 というエピソードは後で、今回のテーマと絡んでくるため、紹介しておいた。

 ただ、そこに行き着く前に、前回見た「宵っ張り、睡眠不足」の方向に日本の社会がどんどん進んでいる背景をさぐっておきたい。

 なぜ、我々は宵っ張りで、睡眠不足な、あまり幸せでなさそうな方向に突き進んでしまったのだろう。戦時下は今よりずっと混乱した社会だったろうし、1970年代は高度成長後期で忙しい社会であっただろう。しかし、こと睡眠については今よりはしっかりと取れていたようなのだから。いったい何が変わったのか。

 三島さんは言う。

「この100年、200年で、人の睡眠の本質的な機能に変化があったわけではありません。今も昔も、国が違っても、人が必要としている睡眠時間などはあまり変わらないんですよ。いろいろな国で統計が取られていまして、実際に眠っている時間は先進国だと、平均値で7時間40分から50分くらいですね。短い人は3時間前後、長い人は11時間以上というふうに正規分布をしてるんです。自分が眠っている時間で充分という場合はいいんですが、問題なのは、現代社会のライフスタイルに睡眠を適応させることが難しい方が多いという点です」

 昔から、人間は眠ってきて、今も、毎日眠っている。

 その本質的な機能や特性は変わらないが、現代のライフスタイルには合わせにくいという。つまり、変わったのは睡眠ではなく、今我々がとっている「生活の仕方」なのだということになる。