第69回 ローマ帝国の“置きみやげ”の栗ケーキ

 さて、前回まで様々なイタリア菓子をご紹介してきたが、もう一つ秋のイタリアを彩るお菓子と言えばこれ!という名物菓子があるという。それはイタリア中部のトスカーナ地方に伝わるとても古い歴史を持つお菓子らしい。

 このお菓子を作るためのある材料を扱っている輸入会社の人に話を聞いたところ、「トスカーナ出身のイタリア人のシェフで詳しい方がいますよ!」との情報が入る。

 そのシェフは、東京・西麻布のイタリアンレストラン「マリオ・イ・センティエリ」のイタリア人オーナーシェフ、マリオ・フリットリさん。そこで、早速話を聞くため、彼の元を訪れた。

 お店にお邪魔すると、「トスカーナ地方の栗菓子と言えば、『カスタニャッチョ』(カスターニャが栗の意味)ですね。その起源は、ローマ帝国時代にまでさかのぼるお菓子です」とマリオさんは、にこやかに話し始めた。

 9月~12月頃までという限られた期間のみ街に出回る、トスカーナ地方の秋の味覚なのだそうだ。この時期にはスーパーマーケットでも見かけるポピュラーなお菓子らしい。もちろん、家庭でもよく手作りカスタニャッチョを作るという。