第1回 眠らなくなった日本人

「何が一番影響しているかというと、働いてるお母さんなんですよ。要するに、帰ってくる時間が遅くて、ご飯も遅くて、入浴も遅い。だけど、それを指摘するだけだったら何の救いもなくて、これからも女性は社会で働いていくのに、日本の場合、サポーターがいない。日本人って、真面目すぎるっていうか、子どもをベビーシッターとか誰かに任せると母親失格みたいなとらえ方をしますよね」

 かなり衝撃的な調査だ。

 働く時間が週20時間未満の母親の子の35.5%が「午後10時より後に就寝」。週5日勤務として、1日4時間働くだけでこうなってしまうのか。さらに言うと、母親が60時間以上働いている場合は、ほぼ半分、49.3%にまでになる。

 つまり、経済成長やら、景気やらとは無関係に睡眠時間は減っているのに、今も根強い男女の役割分担についての社会通念は「女性の睡眠不足」に影響していそうな気配であり、さらにはそれが子に影響するのだという。

 そのような話を伺っていて、ぼくはいきなり深い森の中に迷い込んだ気分になった。

 話の内容それ自体、非常に興味深い。話し終えて、帰宅したら家人に、知人に、とりとめもなく語ってしまいそうだ。

 ただ、インタビューとしては、まとめにくい。睡眠はあまりに日常的なことで、悩みとしても話題としても身近で、ということは、いろいろな方面に枝葉を伸ばし……。