第1回 眠らなくなった日本人

 三島和夫部長は、穏やか、かつ、丁寧な語り口で、現代の日本の「睡眠事情」を如実に物語る調査結果を見せてくださった。1941年に行われた戦時下国民生活時間調査と、1960年以降に5年おきに実施されている国民生活時間調査のデータを組合わせたものだ。

国民生活時間調査(NHK放送文化研究所)より。(画像クリックで拡大)
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所・精神生理研究部、三島和夫部長(写真クリックで拡大)

「このグラフは、ある時間に何%の人が眠っていたか示しています。1941年の時点だと10時50分には、日本人の90%が眠っていたんです。これが約30年後の70年には、1時間ちょっと遅くなりました。ただ、起きる時間もまだ後ろにずれることができていたんです。会社に間に合う時間までまだ余裕があった。でも、それ以降そのぎりぎりのラインを越えてしまい、結局どんどん睡眠時間が短くなってしまっています。週休2日制の企業が増えて、2005年に土曜日の平均値がちょっと上がりましたけど、平日についていえば、もうずっと下がりっぱなしですよね。今の時点で、40代、50代の働き盛りの年代層の睡眠時間は7時間そこそこです。週末に1時間ほど長く眠って、なんとか帳尻を合わせているわけです」

『8時間睡眠のウソ。 ――日本人の眠り、8つの新常識』

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