眺めのいい実験室

 ほかのスタッフの姿をほとんど見ない。本日、Y尾やK瀬の取材班がここへ到着したのは9時半ごろ。みなさん、おつとめと言いますか研究と言いますか、フレックス制なのでしょうか。

「まあ、どちらかというと夜型と言いますか(笑)」

 研究対象が深海なので、暗い方が気分も乗るのでしょうか。

 しかし、実験室は明るかった。水槽があるのとは別の建物の6階、この部屋では主に、冷凍したサンプルのDNA検査などを行っているという。南に向いた窓からは海が見下ろせる。これはこの敷地の中でもきっと1、2を争うロケーションですね。

実験室からの眺め。左端に猿島が見える。(写真:田中良知)

「昔は、理事か誰かの部屋だったみたいです」

 それは、和辻さんのグループが、理事クラスの待遇をされて当然ということでしょう。

「いや全くそんなことないです。たまたまです」

 しかし、絶景です。横須賀の海に浮かぶ猿島まで見えます。

「ここから海を毎日眺められるお陰で『海のそばに住みたい』という気持ちはなくなりました(笑)」

 きれいに整理された部屋には、マイナス30℃に設定された大型の冷凍庫や顕微鏡が並んでいる。

すごい顕微鏡。(写真:田中良知)

「この顕微鏡はすごいですよ。光でバクテリア1匹だって捕まえられる『光ピンセット』を備えているんです」

 バクテリア1匹! ちなみに、おいくらなのでしょうか。

「うーん、高いですよ。数百万円? でも1千万円はしなかったはずです」

 高額である。かと思うと、アルミホイルやラップなど、キッチンでおなじみの消耗品も使われている様子。

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