ベニヤ小屋に戻ると、私はもう一度、ストーブに火をつけてみることにした。

 まずは、前年の残りのような古い薪を入れて、次に粗朶をくべる。火はすぐにも付いた。

 ガタン、ドン、ギギギー、

 鉄のユーコンストーブに薪を入れて、フタをする音が聞こえたのか、オリバー爺さんが杖を両手で付きながら部屋を訪ねてきた。

「ああ、オリバー爺さん! 火を育てるために、最初は燃えやすい古い木を使いましたよ」
 私はそう言うと、爺さんは、ゆっくりとうなずいた。

「火が落ち着いたら、今度は油が乗ったスプルースをくべるつもりです」
 そう言って、準備をしておいたスプルースの薪を持ち上げた。

 そんな私を見て、爺さんはうなずきながら、今度はうなるような声を出した。
「小さく、小さくじゃよ……」

「ん? 何が小さくですか?」私は尋ねた。

「火は、ガツガツ食べるような暴食家では、大炎上するだけでダメじゃ。人間も、脂身や高カロリーのものを好んでガツガツ食べる者は、逆にスタミナがないじゃろ?」

 確かに……。

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