第14話 秋サンマ寒ブリか? それとも、タイヒラメ?

 そう考えると、秋サンマや寒ブリのほうが、エネルギー源としては、いいに決まっている。

 だからきっと、長く火を持続させるには、スプルースの木を選んで入れたほうがいい。

 ところがよく考えると、オリバー爺さんの1つ目のヒント、「粗食の方が、長生きをするんじゃ……」が、矛盾することになる……。

 脂の乗ったエネルギー源たっぷりの秋サンマや寒ブリは、ストーブにとって粗食とは考えられない。

 それどころか、元気いっぱいになって、かっかっと燃えさくるだろう。

 逆に、タイ、ヒラメを与えても、今度は淡白過ぎて、すぐにも腹が減ってしまう。

 両方とも、あっという間に食べ尽くして、もっと食べさせろと言うに違いないのだ。

 うむ……、うむ……。

 分かった気になっていた私は、またまた、考え込んだ。

つづく

廣川まさき

廣川まさき(ひろかわ まさき)

ノンフィクションライター。1972年富山県生まれ。岐阜女子大学卒。2003年、アラスカ・ユーコン川約1500キロを単独カヌーで下り、その旅を記録した著書『ウーマンアローン』で2004年第2回開高健ノンフィクション賞を受賞。近著は『私の名はナルヴァルック』(集英社)。Webナショジオでのこれまでの連載は「今日も牧場にすったもんだの風が吹く」公式サイトhttp://web.hirokawamasaki.com/