第3回 南極ペンギン牧場

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 塩見さんがマクマード基地で参加したコウテイペンギンの研究チームのフィールドは、「ペンギン牧場」と呼ばれている。

 普通の意味での牧場なら、牛や馬や羊が草を食んだり、飼料を与えられたりするわけだが、ここでは充分に厚い氷の上を柵で囲って、その中にコウテイペンギンがいる、という構図。柵の内側にはドリルで開けられた穴があって、ペンギンたちはそこから海に入ることはできるが、近場に別の開氷部がないので、結局は同じ場所に帰ってくることになる。年によって氷の状態が違うため、調査はまずこの「牧場」の場所選定から始まる。

「マクマード基地からスノーモービルで出発して、厚い氷のところをみんなで見て回るんです。自分たちが寝泊まりする建物も設置しないといけないので、ちゃんとした氷のところじゃないと駄目ですし、ドリルで穴を開けて厚さを確認しながらロケハンします。ここなら大丈夫と思っても、周りに氷の裂け目とかがあると、そこからペンギンが逃げてしまうので、条件に合った場所を何日かかけて探して、場所が決まったら基地から重機を持って来てプレハブみたいな観察所兼宿泊所を建てて、柵を立てて穴を開けて……というふうにシーズンごとにやっています」

「ペンギン牧場」の建設風景。プレハブの建物は観察小屋。右は海中に入れる「観察筒」。(写真クリックで拡大)

2012年11月号特集「南極の海を飛ぶコウテイペンギン」
本誌では高速で泳ぐコウテイペンギンの秘密についてレポートしています。フォトギャラリーもあるWebでの記事の紹介はこちら。ぜひあわせてご覧ください。