どうにか、ユーコンストーブの暴れ火と、断熱材の入っていない薄っぺらベニヤ小屋との折り合いをつけなければ、毎日、砂漠と北極の氷上をさ迷うことになる。

 う~ん。うなるように考え込む私に、オリバー爺さんはヒントをくれた。
「火はな……、人間と同じじゃよ……」

「え?」
 私は聞き直した。どう考えても、あのユーコンストーブの火は、粗野で無頓着なガウガウ、ブルドッグなのだ。

 人間というよりも、野獣やモンスターである。

 どこか怪訝な顔をする私に、爺さんは、「わしを見ろ」とばかりの目をして言った。
「わしゃ、若い頃から、あまり食わんようにしてる」
「それが、どうしたの?」
「粗食の方が、長生きをするんじゃ」 

 確かに、暴飲暴食、飽食は長生きの敵と言われている……。

 でも、それがどうしたの?

この連載の前回の
記事を見る

この連載の次の
記事を見る