番外編 ドラマ「海に降る」の撮影現場に潜入してみた

第2回 初物づくしのドラマ撮影

「そういう女性ですから」と山本監督。
「深雪は孤高に踏ん張る人に違いないと思いました。ただ、その強さは、たとえば朝の連ドラのヒロインの強さとはまた別の強さです。以前、サッカーの澤穂希さんが『私の仕事は点を取ることで、女であるか男であるかは関係ない』といったことを話していましたが、深雪、つまり有村さんにはその強さを求めました」

 有村さんはそれに応えた。

「深雪は、チームでたったひとりの女性ではなく、対等な人間として見てもらいたくてその場にいるのだと考えました。メイクや髪型を気にする暇があるくらいなら、しんかい6500に時間を使う。そして『これまでもこうだったから、仕方ないよね』といった理不尽に負けたくないという気持ちもあって、その負けず嫌いなところは、私に似ていると思います」

 なお、しんかい6500のコックピットでメイクは御法度。化粧品の素材に引火性が高いものがあるからだ。

 有村さんは、実際の女性コパイロットには会ったことがないが、しかし、潜航服に身を包んだ有村さんの後ろ姿は実際の女性コパイロットにそっくりで、JAMSTECのメンバーすら、見間違うほどだったそうだ。

「しんかい6500の運航チームのみなさんも、研究者のみなさんも、とてもキラキラしていました」

 そう話す有村さんは、JAMSTECの研究者から聞いた話のうち、「ウナギの耳石の研究」についてのものが、最も印象に残っているという。

 山本監督は実際に会って話をしたパイロットや研究者のキャラクターや言葉を、登場人物に反映させている。

有村さん演じる深雪は男社会でひとり奮闘する女性。そのため「メークはせず、髪の毛も整えずボサボサで役作りした」という
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