番外編 ドラマ「海に降る」の撮影現場に潜入してみた

第2回 初物づくしのドラマ撮影

「でも、いったん潜り始めるとそれを忘れました」

 しんかい6500の小さな円い窓から見える光景に、釘付けになったのだ。

「宇宙のようで、でも、宇宙のようには船外遊泳はできない、音のない、しんかい6500がライトを照らさなければ光もない世界です。そこにある石ころですら、これまで光という存在を知らずにいたのかと思うと、神々しく感じました」

 約6時間かかったその潜航のときの映像も、ドラマで使われているそうなので見逃してはなるまい。
 ただ、こうやって話を聞くと、実際に潜ったことへのうらやましさは募る一方。いつか縁があったら乗って、神々しい景色を直接、見てみたい。

「私も、乗ってみたかったです。乗って潜ってみたかった」

 そう話すのは有村架純さん。しんかい6500のパイロットを目指すこのドラマの主人公・天谷深雪を演じている。

「深雪を演じるまで、海には広くて大きいという印象を持っていましたが、今回、それだけではない、未知の世界があるんだということを知りました。この役をいただいて、こんな壮大な物語に関われて、幸せです。撮影の間は、私も深雪と一緒にJAMSTECで働いている気持ちになれました」

 深雪は、男性ばかりの運航チームにひとり加わって、しんかい6500のパイロットつまり操縦士を目指す女性だ。パイロットは、しんかい6500を全部ばらして再び組み立てられるほどの技術と対応力を持たなくてはならず、実際のJAMSTECでも、過去に女性のコパイロット(副操縦士)は一人しかいない。

「ドラマを通して、未来を担っている機関であるJAMSTECをたくさんの人に知ってもらいたい」と語る有村さん(撮影=澤圭太)
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