番外編 ドラマ「海に降る」の撮影現場に潜入してみた

第1回 JAMSTECがドラマになったって?!

 しんかい6500の球状のコックピット内の撮影は、セットを用いて行われた。そのセットは本物そっくりで、ボタンの位置もかなり正確に再現されている。
 ただし、実際のサイズが直径2メートルであるところが、2.4メートルになっている。

「実際のしんかい6500のパイロットは『広くていいなあ』と言っていましたが、役者さんの感想はやはり『狭い』でした」(広報の吉澤さん)

 ドラマでしんかい6500に搭乗するのは、井上さん(身長180センチ)に加え、時任三郎さん(身長188センチ)、遠藤憲一さん(身長182センチ)たち。さぞかし狭いことでしょう。

こちらは、本物のしんかい6500のコックピット内。定員は3人と決められている(提供=JAMSTEC)
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 このしんかい6500のコックピットのセットは、11月下旬まで新江ノ島水族館で展示予定なので要チェック。ドラマでは、現行バージョンと約10年前バージョンの2通りが用意されたそうなので、JAMSTEC通にはこの違いも密かな見所だ。

 さて、ドラマの主人公は、しんかい6500のパイロットを目指す女性。パイロットだった父親がかつて話してくれた「深海の宇宙」を追い求め、自らもパイロットになろうとする。しかし、スムーズにはいかず――という物語はフィクションだ。JAMSTECが全面的に協力したドラマとはいえ、そこには事実と異なる部分もある。

「物語の部分は、作り話ばかりですね」と吉澤さん。

 たとえばドラマでは、こっそりとしんかい6500が隠密潜航を行うとか行わないとかいった話になるのだが、「乗員の生命を危険にさらす可能性のある潜航は、いかなる場合であっても行うことはありません」(しんかい6500運航チーム)。

 それに「そもそも母船の支援なしでは潜航できませんし、母船の動静は陸上の関係者に常に把握されているので、その全員を巻き込まないと秘密で潜るのは不可能です」。

ドラマ出演者の時任三郎さん。着用している潜航服も本物そっくり!
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