番外編 ドラマ「海に降る」の撮影現場に潜入してみた
第1回 JAMSTECがドラマになったって?!
――こんにちは。三輪さんは普段、どんな研究をされているんですか。
「海中で使う化学センサーの研究開発をしています。海水中の二酸化炭素の量や酸性度、それからATPという、細胞に蓄えられているエネルギーの量などを測定するセンサーです。」
――海を化学的に測定すると、どんなことが分かるようになりますか。
「オーシャンヘルス、つまり、海の健康度が分かるようになります。地震の観測などに使われる物理センサー並に、数や精度を充実させようとしています」
――化学センサーを海中で使う難しさはどこにありますか。
「校正をする必要があるものが多いので、一度設置したら、もう手が出せないところです…」
――よく分かりました。ありがとうございました!
ドラマ「海に降る」では、井上芳雄さん演じる研究者・高峰浩二が、少路勇介さん演じる研究者・佐竹巧の部屋にしんかい6500の潜航記録を確かめに来るシーンがあるが、その現場は三輪さんの部屋だ。
このドラマでJAMSTECが担っているのは、ロケ現場の貸し出しだけではない、しんかい6500やその母船よこすかを使っての撮影の立ち会いや、パイロットや研究者による演技考証も行っている。俳優陣の言葉遣いや実験器材の扱い方は、JAMSTECのお墨付きだ。
パイロットが着る潜航服も、本物そっくりにつくられている。しかもドラマ用の潜航服の胸のワッペンは、しんかい6500ファンの方が運航チームにプレゼンとしたワッペンがもとになっているという。JAMSTEC通はこうした点にも注目して、ドラマをご覧いただきたい。
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