番外編 ドラマ「海に降る」の撮影現場に潜入してみた
第1回 JAMSTECがドラマになったって?!
JAMSTECのとある建物の階段を意気込んで上がりドアを開けると、そこには十数人がいて、全員が無言だった。注がれる視線から、声を出してはならないことが分かる。無言の人々のうちの何人かが、背中に「海に降る」と書かれたTシャツを着ている。このTシャツは主演の有村架純さんからスタッフへ贈られたものだ。 しばらくすると空気が一斉に動き、撮影スタッフたちも口々に話し出す。
今日の撮影現場は、研究棟の3階の角部屋。窓から海が見える研究室だ。その研究室にみっしりと、人人人。ドラマの撮影現場は想像以上にスタッフの数が多い。それぞれが自分に与えられた仕事をてきぱきとこなしていて、プロによるチームという雰囲気に充ち満ちている。船みたいですねと小声で言うと「そうなんですよ」とJAMSTEC広報担当の吉澤理さんが頷いた。
しかし、JAMSTEC全面協力とはいえ、研究室まで貸し出すことはないのではないだろうか。これなら、セットでも対応できそうだし。
「いえいえ、研究室には研究室にしかない備品もありますし、JAMSTECの外に持ち出すには手続きが必要なものもありますから、リアリティを出すためには、ここで撮影していただいた方がいいんです」
吉澤さんが説明してくれる。
なるほど、なるほど。
でも、現在撮影中のこの部屋の本来の住人はどなたで、今はどちらにいらっしゃるんでしょう。と思っていたら、ちょうど廊下を通りかかったところをキャッチできた。
JAMSTEC海洋工学センター海洋技術開発部先進計測技術グループ、グループリーダーの三輪哲也さんだ。
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