第67回 名シェフに聞くイタリアの秋を彩る栗菓子

 モンテ・ビアンコは、イタリアではモンブランの山のふもとの地域でのみ見られるお菓子で、菓子店のほかレストランなどのメニューにも並ぶという。

 ただし、「日本のように、ピース売りのモンテ・ビアンコはありません。菓子店で売られているのは、切り分けて食べるような大きなケーキ。レストランでも大きなモンテ・ビアンコを切り分けて出しますね」と藤田シェフ。元々は、素朴な郷土菓子なのだそうだ。

 「ソルレヴァンテ」では、和栗とイタリアの栗を使った2種類のモンテ・ビアンコを作っているが、イタリアの栗はピエモンテ州にあるアグリモンタナ社の「こわれマロングラッセ」が原料。「マロングラッセは、栗を何度かに分けてシロップで炊き、糖度を高めて硬くしていくのですが、どうしても形が壊れるものが出てくる。これをペースト状にしたものを使っています」

 イタリア栗を使ったペーストは、明るい黄金色の和栗に比べ深みを帯びた茶色だ。「和栗はほっこりとした味わいで、イタリアのものは力強い風味が特徴ですね」とシェフは説明してくれる。

手前がイタリアの栗を用いたモンテ・ビアンコ。奥が和栗を使ったもの。イタリア栗はとても深く濃い味わい、和栗はまろやかな優しい味わい。イタリアでは焼き栗も秋の風物詩だが、これに使う栗は小ぶりで、モンテ・ビアンコに用いる種類とは異るそうだ
2種のモンテ・ビアンコの断面。左が和栗、右がイタリア栗。サクっとしたメレンゲを土台として、栗のクリーム、生クリームと重ねている。生クリームもメレンゲも異なる2つの栗に合わせ、全く別の味わいに仕上げてある