第1回 コウテイペンギンのギャップに萌える

 コウテイペンギン(エンペラーペンギン)は格別な生き物である。

 繁殖生態について映画が撮影され、大ヒットしたのでご覧になった方も多いはず。

 南極という過酷な環境でも最も厳しい、マイナス60℃にもなる極寒の冬季にあえて卵を産む。脚の上に卵を載せ、抱卵嚢とよばれるだぶついた皮をかぶせて抱卵する。ブリザードの吹き荒れる中、何十羽もの親鳥たちが押しくらまんじゅうをするように暖を取る姿は、強烈に猛烈に心にしみる。同じ地球に住む生き物として、崇高さ、神々しさすら感じさせるカリスマ動物だ。

 それが、ぼくが抱くコウテイペンギンのイメージ。

 一方、東京大学大気海洋研究所の塩見こずえ研究員が、2008年にはじめて南極を訪れ感じた印象は違ったものだった。「南極に行ってペンギンの研究がしたい」という学部生時代からの希望がかない、期待に胸ふくらませて訪ねたものの最初はちょっと拍子抜けしたとか。

足の裏が!(写真クリックで拡大)

2012年11月号特集「南極の海を飛ぶコウテイペンギン」
本誌では高速で泳ぐコウテイペンギンの秘密についてレポートしています。フォトギャラリーもあるWebでの記事の紹介はこちら。ぜひあわせてご覧ください。