第12話 暴れん坊薪ストーブとの闘い

 それはもう、最前線を突っ走る背水の陣兵のように厠に走り、さっさと用を足して戻ってくると、ビデオのリモコンの早回しのような速さで薪に火をつけて、もの凄いスピードで、また布団にもぐり込んで芋虫になった。

「あ~、死ぬかと思った……」

 外気はもはや、マイナスを迎えようという気温なのである。

 しばらく芋虫になっていると、部屋がすぐにも暖まってきて、寒さに硬直していた体も融解するようにほぐれてきた。

 しかしまた、あの地獄がやってきたのだ。

 うだるような暑さに起こされて、同じことを繰り返し、また火が消えると、恐ろしいほどの寒さに起こされる。

 まったく、両極端にもほどがある……。

 結局、心穏やかに平和な朝を迎えることができなかった私は、呆れながら火をつけ直していると、ふと思い出した。

 そう言えば、スティーブがこう言っていたのだ。

「ストーブの火は、朝までもつようにつけておくんだよ」と。