第12話 暴れん坊薪ストーブとの闘い

 私はカナダやニュージーランドの牧場で働いていたときに、薪ストーブや暖炉を扱うことが多く、焚き木に火をつけるのも、炎を大きくして世話をするのにも慣れている。

 キャンプでの焚き火も大好きで、直火料理も得意だ。

 だからスティーブがストーブの説明に来たときも、
「大丈夫、大丈夫。こんなの、おちゃのこさいさい!」とばかりの、調子のいい返事をしていた。

 ところが……、

 この小屋に設置されているユーコンストーブは、かなりのあまのじゃく。大喰らいの、暴れん坊である。

 それだけならまだいいけれど、『喰ったら寝る』という無粋モノで、薪を食べ尽したら、すぐにも冷めてしまうのだ。

 イメージで言えば、餌をガツガツ食べて、無駄にガウガウ吠えて、腹がいっぱいになったら、玄関先にドロボーがいようが、怪しい訪問販売人がいようが、グーグー、イビキをかいて寝ている番犬ブルドッグのようなものだ。

 まあ、ゴールドラッシュ時代の映画を見ても、ほとんど風呂にも入らず、髭もボーボーで荒っぽい男たちが登場するのだから、そんな男たちに愛されたストーブが、ガツガツ、ガウガウ、グーグー、ブルドッグなのも分かるような気がする。

 なにはともあれ、この扱いに困る薪ストーブに翻弄された夜を説明すると――、