第2回「生きなければいけない、と思いました」

――2人は日本に来ますが、フローラさんは夫との仲がうまくいかず、住むところを失い、一時は公園で暮らしたこともあるとか。しかし、フローラさんは貧しさに耐えながら、本当のわが子のようにサヘルさんを育てた。強い絆で結ばれていたのですね。

 ある時期まで、親子の絆はそう強くなかったと思います。私は母を困らせてばかりでした。中学3年までは、母のあとについていくことに必死で、今何が起きていて、自分がどんな立場なのかがわかっていませんでした。

――中学3年生のときに、親子の間に何か大きなできごとがあったのですか。

 私、自殺しようと思ったんです。

 中学生のとき、イラン人だというだけでいじめに遭いました。仲間からつまはじきにされたり、無視されたり。先生に助けを求めても助けてくれなかった。

 ある日、学校を早退して、お母さんが家にいないうちに命を絶とうとしたんです。ところが、仕事で家にいないはずの母が家にいました。部屋の隅に座って泣いていたのです。