第11話 荒野の英雄、その罪と運命……。

「ワシがアラスカに来たのは、死ぬためだったのかもしれない……。罪深い私の命を、自然は許さず奪うことだろう。それなら、それでいいと思っていたのだ……」

「でも、自然は命を奪わなかった……」
 私は、半ばホッとしたような気持ちで言った。

 自然というのは、オリバーのような人の心を癒せど、命を奪うほど理解のない偏屈モノではないと信じていたからだ。

「そうじゃ……、それどころか、この森の住人たちが、若いワシにどんどん森の生き方を教えてくるんだよ……」

 機銃の名手であり、敵国からの2度の脱出に成功した彼であっても、アラスカの厳しい自然環境の中では、1人の弱いただの若者でしかない。

 そんな彼に、森の知恵や技術を教えたのが、内陸の森に暮らすインディアンやエスキモーの人々だったのだ。

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