第10話 アラスカの森の仙人が、お隣さん!

 さて、これで夜の生活は問題ない(これ変な意味じゃないよ)。

 あとは、暖房である。

 まだマイナスの気温を迎えるほどの季節ではないが、朝晩は日本の真冬のように寒い。

 幸いなことに、薪を積み上げている場所が小屋のすぐとなりにあった。

 両手にいっぱいの薪を抱えて、何度か室内に運び入れていると、2軒となりの同じようなベニヤ小屋のドアが静かに開いた。

 中からイングランドコリー種の犬が飛び出してきて、気持ち良さそうに長い毛を風に靡(なび)かせている。

「あれ? 誰か他に住んでる?」

 私は薪運びの足を止めて、出てくる人を待っていると、そのドアの向こうから、ずいぶんと歳をとったお爺さんが、ゆっくりと出てきた。

「こんにちは」

 笑顔を送って挨拶をすると、両手に持った杖をゆっくりと付きながら、そろりそろりと私の方に歩いてきた。

 慌てて、私の方から駆け寄ると、
「待っとたよ」と言う。

「え?」