第2回 こんなにすごい! 代替現実

 前回に紹介した通り、理化学研究所脳科学総合研究センターの藤井直敬さんが率いる適応知性研究チームは、実に不思議な装置を開発した。

 SRとは、代替現実(Substitutional Reality)の略。VR(仮想現実、Virtual Reality)でも、AR(拡張現実、Augmented Reality)でもなく、過去に撮影しておいた映像を適宜、丸々、差し替えることで、SR装置を装着した人に、様々な「現実」を与えることができる。それが「本物」の現実かどうかは別として、ほとんど違和感を抱かれない水準の現実感(リアリティ)をもって。

 その「区別のつかなさ」に関しては、莫大なリソースを費やして創りこまれた3DCGによるVRよりも、はるかに優秀だ。また簡便でもある。与えたい映像や音声を事前に収録しておくだけでよいのだから。それらをリアルタイムの映像と差し替えたり、合成したりすることで「現実を編集」することができる。

 ぼく自身が「被験者」となったスタジオに隣接した研究室の応接スペースで、藤井さんに話をうかがった。

(写真クリックで拡大)