見た目が気持ち悪かったぐらいで、簡単にぐらついてしまう自分の信念。

 たとえこの場所が、これまでの常識が通用しない別世界だとしても、自分が情けなくなって、大物を釣り上げた喜びはどこかに消えてしまいました。

 <毒はないだろうけど……見た目は怖いし、ぬるぬるしてるし……とても食欲がわかないよ……ごめん。>

 ぼくは、せっかく釣れてくれたこの魚に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

 そこで、せめてまだ息があるうちに、湖へ帰ってもらうことにしました。

 幸い、針のかかりがよかったおかげで、体に傷もなく、どこにも出血はありません。

 疲れているとはいえ、まだ逃げ出してやろうと、目の輝きは失っていないように見えます。

空を引き裂いて、稲妻が落ちる。落雷はときに、森を焼き払う森林火災さえも引き起こす。(写真クリックで拡大)

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