やはり、角のログキャビンは、ヴァケーション気分で泊まるにはいいけれど、生活するにはファンシー過ぎるのだ。
これから薪ストーブで料理をすることになるだろうし、きっと私のことだから、ストーブの周りを洗濯物の干し場にしてしまうだろう。
そんな生活の場に、お客様用の可愛いフリフリのカーテンやら、薔薇の絵柄シーツを敷いたベッドやらがあっては、逆に落ち着きがない。
奇麗な服を着せられて、思い切り遊べない子供になってしまうだろう。
そもそも私は、カナダやニュージーランドにまで行って、牧場の生活を始めてしまうほど、根っからの地味作業好きなのである。
手洗い洗濯、火熾し、直火料理、風呂焚き。昔の面倒な生活が、なぜか好き。生きている感じがして面白いと思っている。
それに、スティーブがこの部屋を私に選んだ理由も納得だった。