「ここが、今日から君の部屋だよ」
スティーブに案内されたのは、太い丸太で造られたゴージャスなログハウス・ロッジ……の裏に立ち並ぶ、ベニヤ板を張っただけの従業員用掘っ立て小屋だった。
6畳ほどのスペースにベッドと、小さなドラム缶に煙突を溶接したような薪ストーブがあるだけ。
「え、ここ?」
周りには、アスペンの林の中に立ち並ぶヘラジカの角を屋根に乗せたログキャビンもあるのに……、キャビンはキャビンでも、ベニヤの掘っ立て小屋なのである。
ん~、どうせならあっちのログキャビンに暮らしたい……。