第6話  JAMSTECの拳―天帝編―

その7  オールジャパンをぎゃふんと言わせる6つの策略

ODPではそれまで数回、深海掘削船ジョイデス・レゾリューション号による深海熱水掘削研究への挑戦が行われていた。いずれの場合も、深海熱水域の海底下環境(特に熱水循環や熱水鉱床の様子)がどうなっているかを知ることが一番の目標であったが、一方で「そこに未だ見ぬ海底下生命圏が存在し、太古の微生物生態系が残されているかもしれない」という裏メニューもヒッソリとではあるが目標の中に潜り込んでいた。

それは「元祖アーキアンパーク計画」が掲げる研究目標と結構似ていた、っていうかほぼ同じなのだ。決して「元祖アーキアンパーク計画」において、その大きな目標が新しく独自に創造されたものではないということを強調しておこう。

そして、その大きな目標を世界で最初に明確なアイデアとして発表した研究者こそ、ボクが最初のアメリカ留学で世話になったジョン・バロスその人だった。そう考えると、その弟子たるボクこそ「深海熱水海底下生命圏研究」の正当継承者たるケンシロウ資格を有していたと言えるかもしれない。

この辺りの背景については、JAMSTEC深海・地殻内生命圏システム研究チームのウェブページに、絶妙な解説記事を掲載しているので、ぜひそちらを参考にして頂ければ幸いである。とにかく、これまでの深海熱水域掘削では、海上からの掘削は様々な技術的困難に遭遇しコアサンプルの回収もままならないまま、海底下生命圏の研究はにっちもさっちもいかない状態だったのだ。