第8話 どろどろスープの真実

 しかしながら、これまたスティーブが言うには、雪のない今の時期は、犬たちは橇を引いて走ることがないから、1日1食でいいと言う。

 雪が降って走るようになると、常にガソリン満タンといったように、1日2食と必要なビタミンと脂肪分を与えるのだそうだ。

 それなら安心。

 そもそもペットというのは、たいして運動量も仕事もないのに、食べ過ぎなのである。

 肥満が多いペット事情から見ると、1日1回の餌でも、ここの犬たちは痩せていないし、身が軽く、いつでも走れるような体を維持している。

 ということで、私の主な仕事は、1日1回のどろどろスープを与えることと、犬たちの糞掃除のようだった。

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つづく

廣川まさき

廣川まさき(ひろかわ まさき)

ノンフィクションライター。1972年富山県生まれ。岐阜女子大学卒。2003年、アラスカ・ユーコン川約1500キロを単独カヌーで下り、その旅を記録した著書『ウーマンアローン』で2004年第2回開高健ノンフィクション賞を受賞。近著は『私の名はナルヴァルック』(集英社)。Webナショジオでのこれまでの連載は「今日も牧場にすったもんだの風が吹く」公式サイトhttp://web.hirokawamasaki.com/