第8話 どろどろスープの真実

 どんな動物でも虫でも植物でも、水は命を支えている。

 スティーブは若いながらに、動じることのないゆっくりとした口調で、どこか言葉に紳士的な優しさを感じる。

 その彼が、印象のいい柔らかな笑みをこぼしながら、非常に酷なことを言っているのだ。

 確かに、このドッグヤードを見渡しても、飲み水用の皿がない。

 普通、犬でも猫でも飼うときには、餌用の皿の他に、水用の皿を欠かさないものだ。

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 水を飲まずに、どうしてこの犬たちは生きていられるのだろうか?

 深く考え込んで眉間に深くしわを寄せている私に、スティーブは相変わらず穏やかな笑いをこぼして、
「水をあげなくても、死なないよ」と小さく笑う。