第62回 ベトナムの不思議な緑の「ミルクレープ」(ベトナム後編)

 話がそれたが、もう一つベトナムで人気の温かいチェーを教えてもらった。

 「チェー・ダウフー」(ダウフーは豆腐の意味)、軟らかい豆腐にショウガのシロップがかかったチェーだ。「天秤を肩に担いだおばさんがよく売りに来るんですよ」と柴山さんは微笑む。器を持っていけば、天秤に載せた大きな容器からダウフーをすくい入れ、シロップをかけて売ってくれるらしい。「中国デザートの豆腐花(トウ・フー・ファー)に少し似ていますね」と柴山さん。

 さて、ベトナムは、19世紀終わりから20世紀半ばまでフランスの植民地となっていた時期がある。そのため、おやつにもフランス文化の影響がある。フランスパンを潰して揚げ、ハチミツなどをかけた屋台おやつなど、「アンゴン」でもフランスの影響を受けたおやつをメニューに載せているが、その中で目を引いたのが「バイン・フラン」。砂糖を使わず甘い練乳と全卵と水だけで使った蒸しプリンだ。

 「バイン・フランは食堂の他、屋台でもよく売っているお菓子です。常温で置いてあるので、注文するとこれを冷やすために上にクラッシュアイスを載せてくれるんですよ」と柴山さん。濃厚な味わいのプリンだそう。

「アンゴン」のチェー・ダウフー。クコの実がトッピングされ体にとてもやさしそう(写真クリックで拡大)
「アンゴン」のバイン・フラン。同じおやつでも、チェーとバイン・フランは売っている店が異なるのだそう(写真クリックで拡大)