こういう研究申請に関しては、掘越先生は基本的に「まあ好きなようにやれ」と言うことが多かったので、今回の事についてもそう言うだろうと高をくくっていた。事実、最初に「アーキアンパーク計画」の話をした時も掘越先生の反応は否定的ではなかったし。

ところが返ってきた言葉は全く予想外のものだった。

「ウチのグループからその研究計画に関わることは一切禁じる」

最初その言葉を聞いた時、ボクは何がなんだかよくわからなかった。
でもだんだんアタマに血が上り、世に背を向け始め、挙げ句には酒とドラッグにおぼれる日々だった・・・、なんて、さすがにそんな三文小説にありがちな展開にはならなかったが、その後しばらくしても、「じゃあ、上の許可なんかいらねーよ。隠れて勝手にやってやる!」とヤサぐれていたのは事実だった。

しかし「アーキアンパーク計画」関係者にメールを書いて事情を説明しているうちに、どうやらその「不純異性交遊禁止」条例のモト種が、掘越先生ではなく、JAMSTECの上層部から発せられていることを知った。

その理由こそ、「アーキアンパーク計画の研究内容がJAMSTECで立ち上げようとしている地下生命圏研究と完全にバッティングしているから」というモノだったようだ。同じ科学技術庁(当時はまだ文部省と統合されていなかった)の管轄下で、同じような役所誘導型研究計画が二つ存在するのはおかしいという議論があったらしい。

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