第6話  JAMSTECの拳―天帝編―

その6  この研究計画はオレ様のために存在するのだ

たとえ、メールの向こう側で「ふぉふぉふぉ、若いコイツはまだまだこれからワシの天下取りにイロイロ使えるかもしれんからのー」とCIA顔負けのダブルエージェント石橋がひょっこり顔を出していたとしても・・・(あくまでボクの想像です)。

それに「ひとりアーキアンパーク計画」とは言ったけれど、実はもうボクは一人じゃなかったんだ。2回目のアメリカ留学から帰国したボクには、JAMSTECの中にも強力な仲間ができはじめていた。

2000年10月のJAMSTEC地下生命圏研究の立ち上げのために、九州大学大学院農学研究科で博士を修了したばかりの「日本最初の地球微生物学博士」だった「既に貫禄十分のオオモノ」稲垣史生君(現JAMSTEC高知コア研究所グループリーダー)がやってきた。また、出身研究室である京都大学大学院農学研究科の海洋分子微生物研究室から修士課程1年生だったイケメン中川聡君(現北海道大学大学院水産学研究科准教授)が、国内留学でやって来てJAMSTECで一緒に研究を進めることになっていたんだ。

つづく(次回、元祖アーキアン VS ひとりアーキアン)

2003年の「しんかい6500」による第四与那国海丘フィールドの潜航調査終了後の集合写真。当時「ひとりvs宗家」の「アーキアンパーク計画」の血で血を洗う抗争が続けられていたはずなのに、「ひとり」の調査に紛れ込んでいる「ダブルエージェント黒メガネ」がいるぞ! 左の小窓から、黒メガネ石橋純一郎、ボク、態度も身体もデケエ稲垣史生の各氏。
(提供:高井研)
高井 研

高井 研(たかい けん)

1969年京都府生まれ。京都大学農学部の水産学科で微生物の研究を始め、1997年に海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者に。現在は、同機構、深海・地殻内生物圏研究プログラムのディレクターおよび、プレカンブリアンエコシステムラボラトリーユニットリーダー。2012年9月よりJAXA宇宙科学研究所客員教授を兼任。著書に『生命はなぜ生まれたのか――地球生物の起源の謎に迫る』(幻冬舎新書)など。本誌2011年2月号「人物ファイル」にも登場した。