第6話  JAMSTECの拳―天帝編―

その6  この研究計画はオレ様のために存在するのだ

そして、そう考えれば考える程、ボクはどんどんワクワクしてきたのだった。ほぼオールジャパン体制のアーキアンパーク計画に対して、プロになって3年目程度のボクがほぼ一人で真っ向勝負を挑むなんて、無謀と言えば無謀かも知れない。が、自分にとってこれほどアドレナリンが沸き立つ燃えシチュエーションがあるだろうか。いやない(反語)。

大きな集団の中の忠実な下僕として「よしよし」と頭を撫でられる犬より、集団に牙を剥いて忌み嫌われる狼の方がかっこいいに決まっている(そしてオンナノコはそういうオトコノコが好きなのだ。そうと決まっているモノなのだ)。

「アーキアンパーク計画」に宣戦布告

そうと決まれば早速「餓狼伝説」宣言せねばということで、ボクはお世話になった石橋さんやその他のアーキアンパーク計画関係者に、事情説明とこれまでの御礼に加えて、どこまでできるか分からないけれどアーキアンパーク計画に対抗して「ひとりアーキアンパーク計画」を推進する決意の宣戦布告メールを送ったんだ。

そんな自分勝手で、恩を仇で返すような宣戦布告を送りつけたにもかかわらず、石橋さんは「そういう事情は残念なことですが、でもあくまで研究資金ソースが別であるというだけで、科学の進展には何も敷居などないと思います。一緒に研究できる事があればぜひやりましょう」という感動的な返事をくれた。やっぱりボクが最初に感じた通り、この人はとてもイイ人だと再び確信した。