第6話 JAMSTECの拳―天帝編―
その6 この研究計画はオレ様のために存在するのだ
前回まで:信頼する九州大の深海熱水学者、石橋純一郎さんから「海底下に原始生命の子孫が繁栄すること」を実証する研究プロジェクト「アーキアンパーク計画」へのお誘いをもらった高井さん。“絶妙のキラーパス”と鼻息荒く、その決起集会的な会合に参加したが・・・。
その会合は、2000年の初夏、当時は東京中野にあった東大海洋研究所の講堂で行われた「アーキアンパーク計画」決起集会のようなモノだった。ボクはそれまで、深海熱水に関して日本にそんなにたくさん、様々な分野の研究者がいることを知らなかったので、その会合の盛り上がりと分野の広がりにびっくりするとともに、凄く刺激を受けたことを今でもよく覚えている。
どうやら「アーキアンパーク計画」のトップは、当時工業技術院地質調査所の鉱床学・地質学者、浦辺徹郎さん(現東京大学大学院理学研究科教授)のようだった。
その会合では次のような目標が掲げられていた。
「深海熱水の地下には始源的生態系の名残が濃い(つまり原始生命の子孫らしき)微生物生態系が今でも残っているはず。だから、それを海底掘削マシーン(当時金属鉱業事業団、現JOGMECが開発・所有していたBMS)で掘削し、その生態系本体やその兆候を見つけるべし」というものだ。
「青春を深海に賭けて」最新記事
バックナンバー一覧へ- 祝!『微生物ハンター、深海を行く』刊行 番外編
- カリブ海からオラ、コモエスタス?
- 第7話(最終話) 新たな「愛と青春の旅立ち」へ
- 最終回 宇宙の深海をめざして
- その6 プレカンラボ、絶滅の危機
- 第7話(最終話) 新たな「愛と青春の旅立ち」へ
- その5 プレカンブリアンエコシステムラボ、誕生
- その4 ボク好みのナイスガイを探して
- その3 「人類究極のテーマ」に挑むための作戦会議
- その2 ボクの熱意とジタバタだけではどうしようもない問題
- その1 ワタクシのセンチメンタル・ジャーニー
- 第6話 JAMSTECの拳―天帝編―
- その8 無我夢中のどん欲無節操ゴロツキ研究集団
- その7 オールジャパンをぎゃふんと言わせる6つの策略