橇犬用のドッグフードは、ペット用とは違って、高カロリー高タンパク質にできていて、少量でも健康を維持できるように作られている。
このどろどろスープを、ドッグヤードの犬たち1匹ずつに与えることになるのだが、ここで頭を悩ます大きな問題があった。
トーニャは、犬たちの名前と、それぞれ繋がれている場所を描いた手書きのドッグ・マップ(絵地図)と、それぞれの犬の餌の配分表を残していったのだ。
しかしながら、その紙に書かれていることが、さっぱり分からない。
それは、英語の問題ではなくて、たぶんトーニャは天然の自然児なのだ。
紙は、どこかから破ってきたような古紙の切れ端で、書かれている地図は自分にしか分からない「宝島の地図」みたいなもの。文字もまた暗号のように、ニョロニョロしていた。