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ナショナル ジオグラフィック日本版 2012年10月号

「印葉図」その技術と歴史

「印葉図」とは、植物の葉や花にインクを塗って紙に転写する一種の拓本。歴史学者のロデリック・ケイブはこの技術を長い間研究し、書籍にまとめた。ここでは、インクを使った単純な複写から、写真技術を応用したものまで、長い間に進化をとげた印葉図を紹介する。

  • 『コーデックス・アウラトゥス』1425年<br>印刷機が発明される以前に、ドイツ人医師コンラッド・フォン・ブーツバッハが作った印葉図。油でコーティングした紙を、ロウソクの火で炙りすすを付け黒くして使った。
  • 『アトランティコ手稿』1508年頃<br>レオナルド・ダ・ヴィンチが、油と油煙(油や樹脂などを不完全燃焼させる時に生じる黒色の微細な炭素粉)を塗ったセージの葉を紙に押しつけて作った印葉図。この印葉図は、千ページを超えるダ・ヴィンチ直筆の『アトランティコ手稿』に収録され、現在はイタリアのミラノで保管されている。余白には、印葉図の作り方が記してある。
  • 『草本誌』1520年頃<br>16世紀、フィレンツェの調香師ゼノビオ・パチーニは、標本の両面にインクを塗って二つ折りにした紙の間に挟み入れ、上からローラーを押し付けることによって、標本の両面を写し取った。こうして作られた印葉図は草本誌に収録され、人々が香水の原料となる植物を調べる際に使われた。
  • 『植物印葉図譜』1733年<br>印葉図を使って植物を解説した、ヨハン・ヒエロニムス・キニホフによる『植物印葉図譜』。印刷機の台にインクを塗った標本を置いて、その上に紙を重ねて圧力を加える。そのあとさらに手作業で彩色した。
  • アルブレヒト・デューラーの『サイ』16世紀<br>画家のアルブレヒト・デューラーが1515年に制作したインドサイの木版画。アイルランド人の収集家が、インクをつけた植物を両脇に押し付けたと思われる。
  • 『印葉図の新製法』1854年<br>ヘンリー・ブラッドベリーが学んだ、電鋳法という印刷技術の例。電気鋳造によって印刷用の版(この印葉図の場合ならヌマハッカの版)を複製する技術で、仕上がりの精度は非常に高い。ブラッドベリーはオーストリアでこの手法を学び、その後英国で特許を取得。一種の産業スパイ行為だった。
  • 『まぼろしの花束』1862年<br>写真乳剤を塗った木版の上にモクレンの葉を押しつけると、木版でネガが作れる。印刷の需要が増加するなか、こうした木版が活用された。
  • 『ニュージーランドのシダ、148種』1880年<br>青写真法という技法を使って、ハーバート・ドビーが作ったシダの印葉図。紫外線に反応する化学薬品を塗った紙の上にシダを載せて日光に当てると、シダで隠れた部分は白いまま残り、日光にさらされた部分は青く変色する。

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Q:米国南東部ジョージア州のストーンマウンテンの岩肌に刻まれているこの歴史上の人物は次のうち誰でしょう。

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