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 ミンチュミナ湖を渡り切ると、ボートは意外にも立派な浮き桟橋に着いた。

 湖岸に立つアスペンの木に、「デナリ・ウエスト・ロッジ」と書かれた小さな看板があって、砂浜にはカヌーやカヤック、小さなセーリングボードが置いてある。

 砂浜を歩いて、近くに建っている小屋を覗き込むと、中には釣りや水遊びの道具が多種多彩に揃っていて、まるで夏休みを丸ごと詰め込んだ楽園のようだった。

 ここはかつて、アラスカのフロンティア時代の暮らしを体験しながら余暇を過ごすことを目的としたリゾートだったのだ。

 初代の経営者が存続できなくなり、その後、トーニャがこの地を購入して、細々と営んでいるのだ。

 スティーブが言うには、この数年、ほとんどお客が来ていないという。

 天候に左右されて1週間も飛行機が飛ばないこともあるこの場所には、固定スケジュール内で動かなければならない一般観光客は来ることができないのだ。

 それでも、トーニャと橇犬たちは、お客さんを待ち続けて、もう3年になるというのだ。

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