町並みを通りに沿って平行移動しながら撮影し、一枚に組み合わせた作品『Parallelismo(パラレリズモ)』を、本誌2012年10月号「写真は語る」に掲載した(上に本誌未掲載作品を含めたフォトギャラリーとして掲載)。

 「建築の世界に『連続立面図』という図面があるのですが、それを写真で置き換えてみた。つまり建築の目線で町を見てみたわけです」

 大学で建築学を専攻し、建築設計事務所で働いた後、写真家に転向した。路地や建物にまつわる写真を撮影し、雑誌などで発表するなかで、2008年、建築史家である陣内秀信さんの調査に同行して南イタリアの町を撮影した。記録のために撮った写真を連続立面風に並べてみると、「思い描いていた風景が浮かび上がってきた」。

 以後、同じ手法で国内の横丁や古い町並みを作品化している。1点の作品に使う写真は30~40枚。それぞれの写真のゆがみを補正し、切り抜き、つなぐ、といった制作に3~4週間かかる。そのかわり、たくさんの写真を組み合わせている分、拡大すると人の表情や食べているものまで見える。

 「路地の生活が面白い。次はアジアの国々で活気ある人の暮らしをパラレリズモで表現できたら」

『ナショナル ジオグラフィック日本版』2012年10月号「写真は語る」に、写真を追加して掲載した。