第5話「まさ~か~」のええええええええぇ!
小型機はやはり乗ってみると、ドアがガタガタ鳴っていて、どこだかわからない場所からも、振動でビビっている音がしていた。
エンジン音はもの凄い轟音で、空港でもらった耳栓をしていても頭が割れそうなくらいである。
パイロットの腕が良いのだろう。雲と雲の隙間を見つけながら縫うように飛んでいて、真下は、目を見張るほどの荒涼なアラスカの大地が広がっていた。
1時間ほどして、大きな湖の上を旋回すると、砂利をならしただけの簡素な滑走路に下りた。
まるで10年以上も油をさしていないような扉を、ガタン! と自分で開けて、翼の上を歩いてステップを降りると、なんとも言えない森の匂いがしてきた。
遠くには、ミンチュミナ湖周辺に住む人たちが集まっていて、彼らも、この飛行機が飛んでくるのを待っていたようだった。