第33回 ナナフシの「七不思議」

アンセリコニア・アンケテシュケ
(ナナフシ目: Pseudophasmatidae: Stratocleinae)のメス
A female stick insect, Anthericonia anketeschke
コスタリカ北西部の熱帯雲霧林でよく見かける一種。半透明の後ろ翅を広げて、はためくように木々の間を飛ぶ姿は蝶にも見える。体からはシトラス系のニオイを出しているようで、その成分のせいか、触ると指や手のひらがスベスベになる。
体長:50 mm 撮影地:モンテベルデ、コスタリカ(写真クリックで拡大)

 世界中の昆虫好きと会っていくうちに、ナナフシは意外と人気者だということが判明してきた。ペットとして飼っている人もたくさんいるようだ。

 タレントのしょこたん(中川翔子さん)もナナフシが大好きだそうで、先日、東京で彼女と山田五郎さんのラジオ番組に出演したときには、その話題で盛り上がった。

 今回は最初にタイトル「ナナフシの七不思議」を思いついた(ダジャレです)。そこでナナフシにはあまり詳しくないのだけど、ちょっと勉強してぼくなりにナナフシの7つの「不思議」をまとめてみた。

1 たねにも擬態
ナナフシの多くは植物の枝に擬態している。それだけでもスゴイのだが、なんと卵は植物の種子のような形をしている(下の写真)。卵を地面にぽろぽろと産み落とすものが多い。地面に落ちた卵をアリが植物のたねと「間違えて」運んでいくこともある。

2 卵に比べて幼虫が長すぎる
卵から出てくる幼虫(成虫と同じ形をしている)の大きさが半端ではない。たった2~3ミリほどの卵の中から1センチ以上の幼虫が出てくる。こんな大きな幼虫がどんなふうに「折りたたまれて」卵の中に入っているのだろうか? 卵の20倍もの長さの幼虫が出てくるものもいるそうだ。

オンコトファズマ・マルティニ
(ナナフシ目: Diapheromeridae: Diapheromerinae)の卵
Eggs of a stick insect, Oncotophasma martini
ナナフシのメスを飼育している袋の中に、糞と一緒に卵がまぎれていた。思わず糞ごと捨ててしまうところだった。この卵の茶色い殻は、キュッと強くつまむとつぶれてしまうくらいの硬さ。先についているオレンジっぽい突起は、卵の蓋の一部だ。
長さ:3 mm 撮影地:サン・ラモン、コスタリカ(写真クリックで拡大)