第5回 ゲリラ豪雨や竜巻の被害を減らすには

 産業革命以降、人類が大気中に放出してきた、二酸化炭素などの温室効果ガスは、長期的な気候変動をもたらすとされる。地球温暖化は最たるものだが、ゲリラ豪雨などの極端気象も含まれる。では、実際、今の時点で増えているといえるのか。人間の記憶は直近のものが一番鮮明だから、たとえば今年の夏にゲリラ豪雨が多く報道されれば、すなわち「気候変動でゲリラ豪雨が多発」と感じられるわけだが、本当のところはもう少し慎重に判断しなければならない。

「たしかに統計上は増えているんですよ。はっきり分かるのが、気象庁の地上雨量計のデータです。アメダスが整備されてから30年以上のデータの蓄積があるんですが、最初の10年を基準に次の10年、さらに次の10年を比較すると、災害が起こりうる1時間あたり40ミリ以上の雨が、1.1倍、1.4倍になっています。人が恐怖を感じるような毎時80ミリ以上の雨は、1.2倍、1.6倍です。最近、10分間あたり雨量についても興味ある結果を気象研の研究者が報告しています。10分間あたり15mm以上の雨量の回数が1980年頃から増えてきているという結果です。この傾向は年平均気温の増加とよく合っているそうです」

 グラフを描けばはっきりと右上がりで、「増えている」といえそうだ。ただ、長期的に見てこれからも増えていくと断言するのは憚られるのも事実。

「アメダス以前のデータを今と同じには扱ってはいけないんですが、その前の10年間は逆に豪雨が多かったこともありまして、単純に一貫して増えているのかどうか分かりません。もう少し長い目で見ないと、気候変動の影響かどうかも議論できないだろうと思っています。それでも目の前に災害をもたらす気象はあるわけですから、防災・減災の研究は常に必要なんです」