激しい気象現象を目の当たりにして、その危険性を十分に知っているはずの真木さんが、逃げるのではなくとにかく記録に残そうとしたのは、実に研究者的というか……。

 実は普段は、あまり話題にならないものの、日本でも竜巻は危険な極端気象現象として、気象庁の「ナウキャスト」の配信項目に入れられている。まだまだ的中率が低く、見逃しも多いそうだが、それを改善するのも、真木さんたちの仕事のひとつだ。

 そこで竜巻の発生メカニズムを知りたいわけだが、ここで積乱雲の中でも破格の規模を誇るスーパーセルが登場する。

「スーパーセルの場合、水平の大きさは数10キロから100キロにもなります。低気圧のように中心に吹き込む風があって回転しています。そこにもっと小さな渦がなんらかの理由でできて、低気圧性の回転と結びつけば、竜巻に発達するというのが有力な説です」

 スーパーセルは、小さな低気圧「メソサイクロン」(メソは、中規模を意味する。ここでは2キロから20キロくらいの小さな規模を指す)を伴うとされており、まるで台風(サイクロン)のように回転している。そこに別の「渦」が結びつくというのだが、いったいその「渦」はどうやってできるのか。いまひとつイメージできない。

(写真クリックで拡大)

この連載の前回の
記事を見る

この連載の次の
記事を見る