「10分前の直前予測というのは、短期的な目標で、2、3年後に実用になればいいと思っています。防災、減災のためには、5分でも10分でも前にゲリラ豪雨が来るのが分かれば随分違ってきますので」

 突然、大量に雨を降らせるゲリラ豪雨は、気がついたら酷い雨が降っていた、というふうな形でやってきて、まったく予期していなかった被害をもたらす。2006年の神戸のゲリラ豪雨では、利賀川の水位が10分間で1.2メートルも上がり、川遊びをしていた人が流された。2008年の豊島区雑司が谷では、水道工事をしていた人が雨が降り始めて30分もたたないうちにやはり流されてしまった。今から「ゲリラ豪雨が来る」とほんのわずかな時間でも先に分かり注意喚起できれば、多くの被害が防げるだろう。

「直前予報は、一番力を入れているんですが、別の試みもあります。ひとつは、気象庁が全国的にやっている1時間先までの予測(ナウキャスト)を、地域限定でもっとくわしくやろうというものです。現状では、パルス型のシングルセルのような狭い範囲に雨を降らせるタイプのものは予報しづらいわけですが、これを対象に1分間隔で携帯電話に、何ミリ降りますというナウキャスト情報を試験的に流しています(※)。現状の気象庁のナウキャストでは10分間隔なのに対して、国交省XバンドMPレーダの1分間隔で配信される雨量情報を反映して、密な予報を出すというものです。これは直前予報とは違うのですが、まずは、今何ミリ降っているか、これからどうなるかを1時間先まで、それを1分ごとに関東地方だけに配信します」

 これが関東で成功すれば、各地に設置された国交省のMPレーダのデータを使って全国でも可能だ。建築の現場や鉄道、地方自治体の河川管理などでの活用を想定しているという。 

(※)「気候変動に伴う極端気象に強い都市創り」プロジェクトでは、日本気象協会が1分間隔での現況監視と豪雨予報の試験配信を関東地方で開始している。こちらのページの「ナウキャスト文字情報配信の試行(日本気象協会)」にある「登録用空メールアドレス」から手続き可能。雨量警戒情報のURLも記載されている。今後、プロジェクトで開発中のゲリラ豪雨直前予測情報を組み込んで行く予定。

この連載の前回の
記事を見る

この連載の次の
記事を見る