第2回 ゲリラ豪雨が観測できる魔法のレーダ

 真木さんは、学位を得てから防災科学技術研究所の研究職に就き、30年以上にわたって、研究を続けてきた。積乱雲の形成メカニズムの解明と短期的な予測が目下の最大の関心事だが、観測方法そのものの開発にも携わってきた長い個人史を持っている。

 一貫して、極端気象の防災・減災を目標にしてきたように見えるが、元はというと、まったく違う方面に興味を抱いていたのだそうだ。

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「中学を卒業して、大学には行かないと決めていて、工業高等専門学校(高専)を出て造船技師になろうと思っていたんです。高専でワンダーフォーゲル部に入ったのが、気象とのかかわりの始まりでしたね。山でラジオを聞いてテントの中で天気図を書いて、予想が当たったりすると嬉しいんです。それがきっかけになって、十種雲形を覚えたり、観天望気で予報するというのを個人の趣味でやっていたんです」

 海にかかわる仕事を志し、山と出会って、気象に目覚めるというのは、大いに納得できる。観天望気というのは、書いて字のごとく、天を観て、気象を望む、「古き良き」天気予報のことだ。最近の天気予報の現場はコンピュータを使った数値予報になっているので、コンピュータの画面を眺めるばかりで、空を直接観ずに予報を出すことも多いと聞いている。

2012年9月号特集「猛威を振るう異常気象」
本誌では世界の異常気象についてレポートしています。フォトギャラリーもあるWebでの記事の紹介はこちら。ぜひあわせてご覧ください。