危機に瀕している種のなかには、乱獲によって激減したアメリカ海域のハタの仲間もすべて入っている。私がフロリダキーズで過ごした子ども時代に知っていたナッソーグルーパーなど、かつてはありふれた魚だったものも含めて、いくつかは絶滅危惧種だ。

 フロリダ州キーラーゴ島沖にある海中研究室「アクエリアス」で1998年に行った調査探検のとき、私はわずかになる一方のこの魚を1匹見つけて大興奮したことがある。まだ幼魚で、幼い頃に見たグルーパーと変わらず好奇心旺盛だった。私を含めて6人が1週間昼夜を問わず潜ったのだが、出会ったナッソーグルーパーは残念ながらこの1匹だけだった。

 海の哺乳類も消えつつある。カリフォルニア湾北部に棲むコガシラネズミイルカや、ニュージーランドに生息するセッパリイルカの亜種は、今では100頭ほどしか残っていない。爬虫類も同じで、ウミガメは7種のうち6種が絶滅危惧種だ。オサガメは主な生息地である太平洋で、この50年に97%も減ってしまった。

 群体動物であるサンゴが絶滅危惧種にはじめて加えられたのは2007年のことだが、それ以前は絶滅のおそれがなかったからではなく、海洋種は陸生種より絶滅しにくいという誤った認識が広くあったためだ。だが、ガラパゴス諸島のサンゴや藻類に関する研究によれば、この海域固有のサンゴ3種と微細藻類10種が近いうちに絶滅する可能性があるという説得力のある証拠が示されている。

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