第1回 ゲリラ豪雨、竜巻、ひょう、雷は予報可能?

 最近、観測技術のブレイクスルーもあって、積乱雲についての知見が日進月歩で深まっている。積乱雲がもたらす「極端気象」のメカニズムがかなりのところ解明され、監視・予報システムも開発整備されつつあるそうだ。観測面での鍵となる最新の気象レーダでは、雲の中で雨粒が成長した「降水コア」が形成されて、地表に落ちてくるところまでリアルタイムに分かるというから凄い。

「降水コア」がわかるゲリラ豪雨の5分間間隔3次元アニメーション。2008年8月5日に東京都豊島区雑司が谷で発生したゲリラ豪雨だ。3つの段に分かれた上段は、雨量の3次元分布表示(単位はg/m3で等値面を半透明に処理)。赤い色ほど強い雨が降っているところ。矢印で示したように、上空にできた「降水コア」が下方へ落下する様子が見られる。中段は高度1kmでの5分間の雨量(mm)で、「降水コア」が落下してくると同時に強い雨が観測されている。下段はやはり高度1kmでの積算雨量(mm)の分布だが、中段に見られる5分間の雨量が強いところで必ずしも大きくならないことに注意。つまり、積算雨量が大きくなるには、同じ場所にいくつかの降水コアが繰り返して落下することが必要。ご覧のとおり、上空の降水コアが検出できれば、ゲリラ豪雨を5~10分前に予測できることをこのアニメーションは示している(データは神奈川県海老名市に設置した防災科学技術研究所のXバンドマルチパラメータ(MP)レーダ観測による)(動画提供:真木雅之)
(画像クリックで拡大)

 こういった研究で、中核的な役割りを果たしている防災科学技術研究所をたずねた。茨城県つくば市にあり、前述の作品中でも舞台となった気象庁の気象研究所も近い。木々の多いゆったりとした敷地の中にある建物のひとつで、観測・予測研究領域の真木雅之領域長(筑波大学連携大学院教授を兼務)が語ってくださった。

 話題の中心は、科学技術戦略推進費による「気候変動に伴う極端気象に強い都市創り」(2010~2014年)という研究プロジェクト。多くの研究機関が参加し、防災科学技術研究所がとりまとめる。真木さんは、「観測・予測研究領域」という所属の通り、観測方法の開発や、観測結果をもとにしたメカニズムの解明、さらには予測のための研究を手がけている。

 さて、ここでいう「極端気象」とは何を指すのか。

(写真クリックで拡大)